医療福祉の税務情報
医療福祉の税務情報
文書作成日:2021/08/15


 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するための取組を行う医療機関、薬局、介護施設等について、感染拡大防止対策等に要する費用の補助を行う事業(以下、感染拡大等防止支援事業)が令和2年度より、国主導で実施されています。この事業に係る補助金を受け取った後、消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)の報告が義務付けられている場合があります。今回は、この消費税の報告について取り上げます。


 例えば、医療機関であれば、令和2年度に実施された「新型コロナウイルス院内感染防止等補助金」が該当します。

厚生労働省HP「医療機関・薬局等における感染拡大防止等の支援」について パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000641440.pdf

 この補助金は、各都道府県に対して申請するものです。多くの医療機関が申請して受取っているかと思われます。

 同様に、令和3年度の「新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金」も該当します。こちらは、厚生労働省に対して申請を行う補助金です。


 この消費税の報告を行うことで、補助金のうち返還すべき額があった場合には、返還しなければなりません。

 この場合の「返還すべき額」とは、消費税の納税計算において、一般課税(本則課税)方式により計算した消費税の納税義務者のうち、課税売上割合(※1)や課税売上高(※2)などに応じて計算した一定の仕入控除税額がある場合の、その仕入控除税額です。

(※1)課税売上割合とは、消費税が課税となる売上高と非課税となる売上高の合計額のうち、課税となる売上高の占める割合をいいます。
(※2)課税売上高とは、消費税が課税となる売上高をいいます。

 例えば、課税売上割合が95%以上、かつ、課税売上高が5億円以下である場合には、次の算式により計算した金額が仕入控除税額(返還額)となります。

【返還額=補助金額×10/100】

 納付すべき消費税は、原則、事業者が預かった課税売上高に係る消費税から事業者が負担した課税仕入れに係る消費税を控除して計算します。この返還することとなる仕入控除税額は、事業者が負担した課税仕入れに係る消費税の一部です。

 他方、補助金は、消費税は不課税となっており、消費税の納税計算に含まれません。

 そのため、補助金を利用して経費を支出し、その経費に係る消費税相当分を仕入控除税額として控除した場合には、その分は実質事業者が負担していないことから、その部分を返還することとなります。

 なお、この消費税の報告は、結果として返還することとなる仕入控除税額がなくても求められます。これは、消費税の納税義務がない、あるいは消費税の納税計算が簡易課税方式によって申告している場合なども同様です。各々決められている提出期限までに消費税の報告を行うように努めましょう。


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